#2 看護師 × 作業療法士

多角的なプランニングがより豊かな生活を実現

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    看護師

  • 02

    作業療法士
    (OT)

#1今、なぜ連携が必要なのか?

看護師

ひと昔前まで、精神科医療における在宅看護のあり方は、「退院して地域で生活する」ことが一つのゴールでした。しかし今はただ生活するのではなく、何かしら社会に貢献し、生きがいを持って生活をしてもらうことに重きを置いています。自己実現の喜びが見つかれば、病と闘う意欲や予防する意識にも繋がっていきますから。ただ、その目標を達成するには、看護師だけのケアでは応えきれなくなってきているのが現状なのです。

OT

退院して終わり、ではなく、その後のニーズが多岐にわたることで、サポートする側の領域が広くなったわけですね。作業療法士の主な役割は、着替える、食事をする、入浴する、といった日常生活に必要な動作の回復をサポートすることです。やはり社会参加を果たしていく上では、日常生活援助のスペシャリストである私たちの介入が欠かせません。

看護師

実際に、作業療法士が入ることで成果が出た事例もあります。これまで看護師が単独でアプローチしていたご利用者様で、1年間、家に引きこもっていた方がおられたのですが、作業療法士が加わり、別の角度から、外出を想定した動作訓練や、移動手段などをプランニング。結果的に、3ヶ月ほどで外に出ることができるようになりました。

OT

多職種で連携することで、より効果的なケアが成し遂げられた代表例ですね。相乗効果を生かした働きかけによって、就労に繋がるケースがどんどん出てきているところです。

看護師

ご利用者様の退院後の社会参加、ひいては自己実現を達成する。そのためには、互いの専門性を尊重しながら協働し、多角的にアプローチしていく連携力が必要不可欠なのです。

#2それぞれの役割について

看護師

基本的には、看護師も作業療法士も、主治医の指示に基づいて看護計画を立て、ケアを行っていきます。片方だけが入るというケースはありません。すべてのご利用者様に対し、協働でケアをしていくのが当社の目指すところです。

OT

もちろんウェイトの差はあって、医療的ケアが最優先というご利用者様は看護師の訪問頻度が高くなりますし、病状が落ち着き、自己実現に向けて生活リハビリに入るフェーズになれば、作業療法士がメインでケアをしていくようになります。

看護師

そもそも看護師と作業療法士の業務領域は完全に分断できるものではありません。看護師の職域は、医師の診療補助や服薬管理はもちろん、日常生活のリハビリなどまで幅広いものです。しかし、その特定の各プロセスにおいて、より専門性を発揮してケアするのが、作業療法士や理学療法士、管理栄養士といった職種と言えます。

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例えば、お風呂に入るのが難しいとなった時に、看護師もその補助やリハビリはできます。しかし作業療法士は、お風呂に入る一連の動作に対して、身体的な機能の評価をして、より詳細に分析し、どこに問題があるのか課題を洗い出して、対策を立てる。日常生活行動における機能向上について、より深くケアする力があります。

看護師

だからこそ2職種がコラボすることで、一つの職種でアプローチするよりも最適なケア計画を立て、成果を上げることができるのです。

#3その先にある未来とは?

OT

では、より専門知識を生かした多職種間のアプローチができると、ご利用者様がどういう未来を描けるのか。例えば、就労を希望されている方がいるとします。けれど実際のところ、なかなか起きられず、昼夜逆転して生活のリズムも乱れている。薬の管理もできていなくて、調子が不安定な時がある。その状態でお仕事に就けるかというと、現実は難しいです。

看護師

やはり継続的な服薬や、健康状態の維持といった基本の生活部分を整えていくことができないと、働きに出ることはできません。そこで、就労に向けて看護師の視点で行動計画を立てていくわけなのですが、自立した生活を実現するための、具体的な方法が分からない、あるいは分かってはいても、身体の機能がついていかないことも多いのです。

OT

食事の準備の仕方だったり、食べ方だったり、日常生活行動における一連の動作…それを“作業”というのですが、その機能訓練についてはやはり作業療法士の力が必要です。例えばトイレで座れない…となった時。関節の機能や可動域を広げる…といった身体の機能回復訓練は理学療法士の領域ですが、作業療法士はそこで、応用的動作能力の回復を目指します。「じゃあ手すりを持って、次はこんな準備行動をして…」と一連の複合的な動作を洗い出して、どうしたらできるか組み立てていくのです。

看護師

自立性の高い日常生活は、社会参加への大きな足がかりとなります。ご利用者様に、生きがいに満ちた、より豊かな生活を送っていただく上で、複数職種の専門分野を組み合わせたアプローチは、これからますます強く求められることになるでしょう。

#4連携における苦労と乗り越え方

OT

ご本人様がやる気になっている時が、作業療法士の介入のタイミングだったりするので、それを逃さないためにも、今どんな段階でどんな課題があるのかなど、看護師と密にコンタクトをとって、すり合わせていくことが大事になってくるかと思います。

看護師

その中で難しくなってくるのが、職種が異なると大きな目標は共有できても、そこに至るプロセスはそれぞれ違うということです。お互いに専門性を持っているからこそ、それぞれの知識や経験から導き出した意見には食い違いが生まれます。

OT

特に精神疾患というのは、症状そのものが検査データなどで厳密に計れるものはなく、精神面…目に見えにくいもの。それを異職種間で共有するので、やはりズレが起きやすい。そしてズレが生じてしまった認識のままケアを行うと、ご利用者様を混乱させてしまい、逆効果になってしまうリスクも出てきます。

看護師

大事なのは、互いの職種を認め合う気持ちをまず持つこと。主体であるご利用者様に合わせて、協働で一つの方針を練り上げていくのは簡単ではありません。1プラス1が3になるという考え方を一人ひとりが持つことだと思います。

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